http://www.sankei.com/smp/affairs/news/180622/afr1806220033-s1.html

 民間が運営に関わる刑務所「美祢(みね)社会復帰促進センター」(山口県美祢市)で7月から、受刑者がインターネットに接続されたパソコンを使ってネットストアを立ち上げる職業訓練を実施する。外部接続されたパソコンを使っての職業訓練は全国初の試み。法務省は「社会で使えるスキルを身につけることができ、再犯防止にもつながる」と成果に期待を寄せている。

 美祢社会復帰促進センターは窃盗や薬物犯罪で有罪になり初めて刑務所に入る受刑者を収容。定員は男女計1300人で、現在は約600人が収容されている。

 ネットに接続されたパソコンを使っての訓練は、男性受刑者5人を対象に7月11日から約4カ月の予定で実施。具体的には美祢市の道の駅「おふく」のネットストアを通販サイト「ヤフーショッピング」内につくり、道の駅で扱っている商品を販売する。

 訓練にはヤフーと小学館集英社プロダクションが協力し、ネットストア作成方法などを教える。受刑者には「どうすれば顧客が満足して商品を買ってくれるのか」までを考えさせる。

 さらに、テレビ会議システムを使って、受刑者が道の駅側に売ってほしい商品を聞いたり、すでにネットストアを立ち上げている店に人気を集めるコツを聞いたりするという。

 この取り組みは対象受刑者を変えて継続していく方針。法務省は「ネットストアは1人でも起業できるので、社会復帰後に独り立ちする助けにもなる」としている。