【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は22日、世界の金融機関がサイバー攻撃の深刻なリスクに直面しており、被害総額が年間3500億ドル(約38兆5000億円)に上る可能性があるとの試算を公表した。大規模な攻撃で「銀行の利益が損なわれ、金融安定を脅かす恐れがある」と警鐘を鳴らした。

 専務理事は、サイバー攻撃リスクが金融機関の経営幹部にとって最大の懸案になっているとの調査結果を説明。「一つの金融機関に対する攻撃は、高度につながった金融システムを通じて他に拡大する」と警告した。
 サイバー攻撃の正確な被害リスクの把握は容易でないとしつつ、50カ国で最近起きた事例に基づく推計で、被害総額は世界の金融機関の純利益の約9%に当たる年1000億ドル前後に達する可能性があると分析。大規模な攻撃では「2700億〜3500億ドルに上る恐れがある」と指摘した。

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