◆スズメダイの新種確認、ナノハナスズメダイ…鹿児島・岩坪さん

魚類の調査・研究を行う鹿児島水圏生物博物館(鹿児島市)の代表理事、岩坪洸樹さん(29)がスズメダイの新種を確認した。
和名は「ナノハナスズメダイ」で、15日発行のイタリアの魚類専門誌に論文が掲載された。
岩坪さんはこれまでにも別の新種「キホシスズメダイ」を確認しており、新種確認は2度目となる。

新種の成魚はキホシスズメダイとほとんど見分けが付かない。
ただ、幼魚の体色がキホシスズメダイよりも黄色いため、ダイバーの間では以前から「別種ではないか」と言われていた。

岩坪さんは別種かどうかを確認するため、2年前に東京・八丈島のダイバー加藤昌一さん(60)から提供された13匹を丹念に調査。
ひれのとげやうろこの数が両種で異なることを突き止め、新種と断定した。

幼魚の黄色い体色を菜の花に例え、ナノハナスズメダイと命名。
調査に協力した加藤さんへの感謝を込め、学名を「クロミス・カトウアイ」とした。

スズメダイに詳しい加藤さんは「自分にとっても思い入れのある魚。学名に自分の名前が入り感無量」とうれしそうな様子。
岩坪さんの研究を指導している鹿児島大総合研究博物館の本村浩之教授は「地道な研究を続け、今回の成果につなげた」と評価する。

調査に使ったナノハナスズメダイは、鹿児島大などで新種の標本として保管される。
岩坪さんは「2年かけて研究した成果が論文掲載という形になってうれしい」と喜んでいる。

写真:ナノハナスズメダイの標本を手にする岩坪さん
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20180622/20180622-OYS1I50001-L.jpg

読売新聞 2018年06月22日
http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/life/knowledge/20180622-OYS1T50016.html