◆架空請求はがきに注意 「訴状提出」「差し押さえる」…県などに相談急増

県内各地の消費生活センターや自治体の窓口に寄せられる、はがきによる架空請求の相談が急増している。
二〇一六年度は数十件だったのが昨年度は約三千六百件、本年度は二十一日現在、約二千百件に達した。
実際に現金をだまし取られるケースも一六年度以降、少なくとも四十件起きており、県などは注意を呼び掛けている。

県消費生活課によると、はがきの架空請求は十五年ほど前まで横行。
その後は毎年ゼロに近い状態だったが、昨年三月から再び増え始めた。
住所や名前を相手に知られているという不安感から、メールより無視しにくい心理を突いているとみられる。

はがきは「民事訴訟管理センター」や「国民訴訟お客様管理センター」といった実在しない団体の名称で届き、「消費料金が未納で、訴状が提出されました」などと記載。
「裁判取り下げを期日までに連絡しないと給料、不動産を差し押さえる」と不安をあおる。

期日を二〜三日後にしてあるため、慌てて電話をすると「取り下げの弁護士費用に十万円かかる」などと言われる。
座間市の六十代女性は今月、約千二百万円の被害に遭った。

既に昨年度(九十四件)を上回る百二十件超の相談を受けた小田原市消費生活センターは、市のホームページで手口や対処法を詳報しているほか、市内各所の広告映像や防犯パトロール、ケーブルテレビなどを使って広く注意を促す。
市地域安全課の熊坂陽子係長は「はがきには連絡せず、消費生活センターに相談してほしい」と話した。

写真:受け取った人の不安をあおるような表現が並ぶ架空請求はがきの見本=小田原市消費生活センター提供
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201806/images/PK2018062302100060_size0.jpg

東京新聞 2018年6月23日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201806/CK2018062302000136.html