福岡市中央区の旧大名小学校の起業支援施設で東京都江東区のインターネットセキュリティー会社員、岡本顕一郎さん(41)が刺殺された事件で、殺人容疑などで逮捕された福岡市東区の無職、松本英光容疑者(42)の事件前後の足取りが、捜査関係者への取材で判明した。現場周辺で3時間以上にわたって待ち伏せしていたとみられ、ネットのやりとりを巡り岡本さんに恨みを募らせていたとされる松本容疑者が入念に機会をうかがっていた可能性がある。

 捜査関係者によると、松本容疑者は24日午後4時ごろ、同市東区の自宅を出発し、同日午後4時40分ごろには現場となった施設周辺に到着していた。岡本さんが講師を務めたIT関連のセミナーは施設1階の会議室で午後5時半に始まり、7時45分ごろ終了。約15分後、岡本さんは同じフロアのトイレで襲われた。

 事件後、逃走した松本容疑者は中央区と博多区を隔てる那珂川に架かる橋の欄干に血の付いた上着を、自宅近くの宇美川では乗っていたカゴ付きの黒色自転車をそれぞれ捨てており、福岡県警がいずれも回収した。ほぼ最短ルートで自宅に一度戻ったとみられ、黒色のポロシャツに着替え直してから同日午後10時50分、自宅に近い箱崎駅東交番に出頭した。

 一方、同日午後10時29分には、ネットの掲示板に「ネット弁慶卒業してきたぞ」「近所の交番に自首する」などという書き込みがあり、松本容疑者が帰宅後に自宅から投稿した可能性がある。県警は松本容疑者が出頭する一方で、上着などを捨てながら逃走した経緯についても慎重に調べる。【柿崎誠、宮原健太】
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