https://www.sankei.com/smp/affairs/news/180627/afr1806270019-s1.html

神奈川県でもブロック塀緊急点検 事故類似の構造も
2018.6.27 18:07

 最大震度6弱を観測した18日の大阪北部地震で倒壊したブロック塀の下敷きとなり、小学4年の女児(9)が死亡したことを受け、神奈川県内の各自治体が安全確認など対策に乗り出している。死亡事故と似た構造のブロック塀も確認されており、早急な対応が求められそうだ。

 葉山町の中学校敷地内にあるプールの外側に設置された高さ約2・4メートル、幅約26メートルのブロック塀。基礎部分には約1・8メートルのブロックが積まれていた。

 「(地震で倒壊して女児が死亡したブロック塀と)一見してよく似ている」(学校関係者)ことから、町が調査した結果、建築基準法施行令で定められた高さ2・2メートルを超えていたことが分かり、19日から付近を立ち入り禁止とした。基礎部分の設置時期は不明で、上に積んだブロック塀は「プライバシー保護の観点で積んだのでは」と推測する。

 同県は県立高など172校を対象に調査を進めており、そのうち26校にブロック塀があることが分かった。現在、職員を派遣し、詳しい状況を調査している。鎌倉市ではブロック塀の安全性を点検する方法やブロック塀の除却に関する補助制度の内容を記したチラシを作成し、ブロック塀のある約2千世帯に配布を始めた。

 相模原市では市内の公立小中学校全てに2メートル以上のブロック塀が敷地内にあるか確認するよう指示。既に高さ2メートルを超えるブロック塀を複数個確認しており、「取り壊しを検討している」(市教委)という。

 横浜市では市が所有する約2100の公共施設の敷地内に危険なブロック塀などの有無を緊急調査するよう通知した。市教委も市立学校計509校を対象に、敷地内のブロック塀の安全点検を実施。通学路については、市立小学校計342校に対して、通学路にあるブロック塀などの安全確認をするように通知した。通学路にあるブロック塀の安全確認を行うのは初めてという。

 30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確立が昨年度から、さらに1ポイント上昇し、82%だった同市の林文子市長は「市内のどこでも強い揺れに見舞われる可能性がある」として、「しっかりと防災減災に取り組まないといけないと、さらに意識をした」と述べた。