2018年6月28日 6時17分
ポーランドで、ナチス・ドイツによるユダヤ人の大量虐殺=ホロコーストに、ポーランドが国として加担したと公に非難することを違法とする法律が改正され、最高3年の禁錮を科すなどとする罰則規定がなくなりました。ポーランド政府は、法律に懸念を示してきたアメリカやイスラエルとの関係改善を目指すためだとしています。

ポーランドではことし2月、ナチス・ドイツによるホロコーストにポーランドが国として加担したと公に非難した人に対し、最高3年の禁錮や罰金を科す法律が成立しました。

この法律についてポーランド政府は、罰則規定をなくすことを決め、27日、改正法案が下院と上院で可決され、さらに大統領が署名して成立しました。

モラウィエツキ首相は議会に対し、「刑事処罰については論争を引き起こし、逆効果だった」と述べ、法律の改正はイスラエルやアメリカとの関係改善を目指すためだと説明しました。

この法律についてイスラエルは、「歴史の書き換えだ」と非難していたほか、アメリカも、過去の戦争犯罪に関する自由な議論や研究活動を妨げるおそれがあるとして懸念を示していました。

ポーランドは、司法改革などをめぐってEU=ヨーロッパ連合との関係が悪化している一方、安全保障では隣国ロシアの脅威が高まる中、アメリカへの依存を深めています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180628/k10011498381000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_001