※イロモノスレです

【ソウル=名村隆寛】サッカーのワールドカップ(W杯)で、日本の決勝トーナメント進出がかかったポーランド戦を、韓国ではテレビ主要3局が28日深夜から29日未明にかけて生中継するなど、今回も強い関心を示した。

 KBSテレビでは、解説者が前半から「ポーランドは体格と体力で日本を押せばいい」と指摘。中継するアナウンサーは、同じ時間に行われているセネガル対コロンビア戦が0対0の時点で、「現状況で日本は負ければ駄目です」などと語っていた。

 後半にポーランドが先制ゴールを決めてから、中継は一層熱を帯びた。日本の敗色が濃厚になるにつれ、「コロンビア戦、セネガル戦での先発メンバーをなぜ休ませたのか」と西野監督の采配を「16強入りを意識したもの」として批判的に解説したりもした。

 試合終了が近づき、コロンビアがセネガルをリードしていることが伝えられると、「日本は負けても、コロンビアのおかげで決勝トーナメントに進出できます」との説明も。しかし、敗戦にもかかわらず日本が決勝トーナメント進出を決めた瞬間、解説者は「イルボン、チュッカハミダ(日本よ、おめでとう)」と素直に日本代表をほめたたえた。

 韓国は今大会の予選(F組)を1勝2敗で終え、決勝トーナメント進出はならなかった。だが、日本戦の中継には、どことなく余裕が感じられた。

 その理由はどうやら、前日の最終戦で、ドイツに2−0で「歴史的勝利」(韓国メディア)を成し遂げたことにあるようだった。現に、日本対ポーランドの中継でも、韓国対ドイツ戦について触れる場面が何度もあった。

 韓国のテレビ各局は28日朝からトップニュースで「歴史的!」とドイツ戦での勝利を伝えた。ドイツのW杯への出場は19回。しかも17回連続出場で、優勝は4回。そのうえ国際サッカー連盟(FIFA)ランキング1位。そんなドイツに勝った“偉業”に、韓国社会はまるで優勝したかのような興奮に包まれた。

 同じグループのメキシコでは、首都メキシコ市の韓国大使館周辺で、韓国をたたえる集会が開かれた、その様子は韓国国内でも報じられていた。また、普段は硬い質問がほとんどの韓国外務省の定例会見でも、この日はなんと、メキシコでの韓国称賛行事についての質問が出たほどだ。

 試合終了間際の2点。しかも、王者ドイツを見事に0点に抑えた。おまけに、「世界が注目」(韓国メディア)しているときた。うれしくないはずはない。

 韓国では決勝トーナメント進出を逃した落胆や絶望感はどこかに消え失せ、テレビの中継は余裕を交えて日本の試合を中継しているようだった。W杯は決勝トーナメントへと進んでいくが、韓国では大会そのものが早くも、めでたく終了したような雰囲気さえ漂っている。

2018.6.29 01:35
産経ニュース
https://www.sankei.com/sports/news/180629/spo1806290008-n1.html

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