>「遺体」には「床に敷かれたブルーシートには、二十体以上の遺体が蓑虫(みのむし)のように毛布にくるまれ一列に並んでいた」との記述がある。
>一方で、「美しい顔」には「すべてが大きなミノ虫みたいになってごろごろしているのだけれどすべてがピタっと静止して一列にきれいに並んでいる」との表現がある。

>同様の類似点は確認できるだけでも40箇所以上に及び、中には被災者小学生の書いた改変を改変したと見られる部分もあった。

>「美しい顔」で描かれる主人公は、被災地に赴くルポライターや記者を徹底的に見下して蛇蝎のごとく嫌う皮肉屋の少女である。
>作者自身が「受賞のことば」で「被災者ではない私が震災を題材にし、それも一人称で書いた」と証言している。
>だが、現実の被災地で汗を流して取材した人々や、家族を失って涙を流した人々の作り上げた文章を自分の頭で作り出したかのように発表する、罪悪感はなかったのだろうか?