抗がん剤治療などで髪の毛を失ったタイのがん患者たちのために、かつら大手のアデランス(本社・東京)が29日、バンコクにある国立がんセンターなどに医療用のかつらを贈った。
社会貢献の一環として、2012年から毎年続けている取り組みで、今年は7月にかけて三つの病院に計270個を寄贈する。
この日、国立がんセンターには120個を贈り、女性の患者らがさっそく着用した。乳がんを患っている女性(50)は、短い髪のかつらを選んだ。
「つけることで自信を取り戻せる。この髪形にしたのは軽くて涼しいから。それに、若く見えるでしょ」と笑った。
胸などにできた腫瘍(しゅよう)の治療を受けている女性(57)は「このかつらはとても心地いい。家に帰って孫たちに見せたい」と話した。

同社は1986年にタイに進出し、現在は2カ所の工場で日本やアジア、欧米向けにファッション用、医療用のかつらを製造。
バンコクには販売店も年内につくる予定だ。(バンコク=貝瀬秋彦)


2018年6月30日22時31分
朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASL6Z5SG6L6ZUHBI01R.html


アデランスから贈られた医療用のかつらを着用し、笑顔を見せる女性たち=29日、バンコク、貝瀬秋彦撮影
https://www.asahi.com/articles/photo/AS20180630002895.html