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記録的大雨のおそれ 土砂災害や川の氾濫に厳重警戒を
2018年7月6日 3時16分大雨 警戒点

活発な前線の影響で、西日本や東日本に発達した雨雲がかかり続け、局地的に非常に激しい雨が降り、四国や近畿、東海を中心に多くの川で氾濫の危険性が高まっているほか各地で土砂災害の危険性も高まっています。すでに記録的な大雨となっているところがあるうえ、西日本と東日本では、今後、非常に激しい雨が降り続くおそれがあり、気象庁は、土砂災害や川の氾濫などに厳重に警戒し、自治体からの情報をもとに避難するなどできるだけ安全を確保するよう呼びかけています。

気象庁によりますと、本州付近に停滞する梅雨前線の活動が活発になっているため、西日本と東日本の広い範囲で大気の状態が非常に不安定になり、四国や近畿、東海、関東甲信に発達した雨雲がかかり続けています。

午前2時までの1時間に、高知県が安芸市に設置した雨量計で78ミリ、徳島県那賀町木頭出原で55ミリ、国土交通省が和歌山県有田市に設置した雨量計で53ミリの非常に激しい雨を観測しました。また、国土交通省が高知県香南市に設置した雨量計で42ミリの激しい雨を観測しました。

午前2時までの48時間に降った雨の量は、高知県馬路村魚梁瀬で800ミリを超えているほか、岐阜県本巣市根尾で442ミリ、長野県飯田市南信濃では250ミリを超え、平年の7月1か月分に匹敵、または上回っています。

また、この24時間に京都市右京区京北で288.5ミリ、滋賀県高島市今津では227ミリに達し、いずれも平年の7月1か月分の雨量を上回って統計を取り始めてから最も多くなるなど、記録的な大雨となっているところがあります。

土砂災害警戒情報

これまでの雨で土砂災害の危険性が非常に高まり、自治体が避難勧告などを出す目安とされる「土砂災害警戒情報」が各地に発表されています。

発表されている地域があるのは、長野県と富山県、石川県、福井県、岐阜県、大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県、岡山県、香川県、徳島県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、それに沖縄県です。

氾濫危険水位

また、各地で川が増水し、午前2時現在、北海道や長野県、岐阜県、京都府、滋賀県、兵庫県、奈良県、岡山県、広島県、山口県、高知県では、氾濫の危険性が非常に高い「氾濫危険水位」を超えている川があります。

今後の大雨の見通し

前線の活動が活発な状態が続き、西日本や東日本、それに沖縄県では6日、雷や突風を伴って1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降るおそれがあります。

特に、これから6日の朝にかけては上空を気圧の谷が通過するため、前線の活動がさらに活発になり、これまでより雨が強まる見込みです。

さらに、本州付近に前線が停滞するため西日本や東日本では、8日の日曜日ごろにかけて、同じ地域で非常に激しい雨が降り続き、記録的な大雨になるおそれがあります。

6日夕方までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで、四国と岐阜県で400ミリ、近畿と長野県で300ミリ、北陸と九州、それに愛知県で250ミリ、中国地方で200ミリなどと予想されています。

さらに、6日夕方から7日夕方までの24時間にはいずれも多いところで、四国で300ミリから400ミリ、北陸と長野県、東海、近畿、それに九州で200ミリから300ミリの雨が降る見込みです。

気象庁は、土砂災害や川の氾濫、低い土地の浸水に厳重に警戒し、自治体からの情報をもとに避難するなどできるだけ安全を確保するよう呼びかけています。

また、夜は冠水した道路や増水した川の状況を確認しづらく、外に出て避難すると、かえって危険な場合があります。周りの状況をよく確認して、外に出ることが難しい場合には無理に避難せず、建物の2階以上に上がったり、崩れるおそれがある斜面から離れた部屋に移ったりして少しでも安全性を高める行動が必要です。