滋賀県教委は、県内の高校を2017年度に卒業した生徒が就職面接で、家族構成を聞かれるなどの不適正な質問を受けていたケースが31社から計33件あった、と発表した。

 質問の内訳は、家族の職業など本人に責任のない事項、身元調査につながる恐れのあるものが18件で、愛読書など本来、自由であるべきものが15件。

 具体的には「両親は共働きか」「何人きょうだいか」など自身の能力に関係ないことを聞かれたり、「どんなジャンルの本を読むか」「尊敬する人物は」といった憲法で保障されている思想、信条の自由に踏み込んだ質問をされたりしたという。

 調査は延べ2477人に実施。学校を通じて県教委に寄せられた報告をまとめた。年々減少傾向にはあるが、県教委では滋賀労働局と協力し、公正な採用選考が行われるよう企業に呼びかけ、公共職業安定所が、こうした質問を行った企業を訪問し、改善するよう指導を行っていく。

2018年07月08日 18時42分
YOMIURI ONLINE
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