2018.07.11 18:20
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山の中に生後5か月の男児を遺棄した男

このほど米モンタナ州で、生後5か月の男児が半分生き埋めの状態で山の中に遺棄されるという痛ましい事件が起こった。懸命な捜索の結果、男児は生存した状態で無事に発見され、現在は地元の病院で治療中だという。『Inside Edition』『CNN』『KPAX.com』などが伝えている。

7月8日の午前2時半頃、モンタナ州ミズーラ郡ロロホットスプリングス近くの山の中で、生後5か月の男児が同郡警察の捜索により見つかった。

フランシス・カールトン・クローリー(32歳)は7日、男児の世話をする立場でありながら山の中にその子を遺棄した。ミズーラ郡警察は同日午後8時頃に「不審な男がいる」といった複数の通報を受け、現場に駆けつけた。後に同警察が明かしたところによると、クローリーは周りの人に「銃を持っている」と脅し、ポケットに手を入れる仕草などをしていたようだ。警察が現場に到着した時にクローリーの姿はなかったが、その後の通報により居場所を突き止めて逮捕した。

クローリーは薬物を摂取しており、警察の尋問にも意味不明なことを返していたという。しかし「子供を山に埋めたかもしれない」と供述したことから、警察はすぐに捜索を開始した。深い山の中を捜索すること6時間以上、やがてかすかな泣き声を聞きつけた捜索隊がその場所へ向かうと、幼い男児が木の枝や岩くずが積み上げられた下にうつ伏せになって遺棄されていた。ほとんど生き埋めに近い状態だった男児の衣類は、排泄物で汚れて濡れていたという。警察は男児が少なくとも9時間は放置されていたとみており、「助かったのは奇跡だ」と述べている。

軽い擦り傷や痣ができていた男児は、その後地元の病院へと搬送され今も治療中である。しかし容態は安定しているようだ。警察は男児の身元をプライバシー保護により公表しないと述べたうえで、男児がモンタナ州児童養護施設の保護下に置かれることになったと発表した。

捜査の途中で、逮捕されたクローリーはオレゴン州からの逃亡者であることが判明した。複数の強盗罪と1件の軽犯罪で服役後の監視下に置かれていたクローリーが、なぜ赤ちゃんを遺棄するに至ったかは明らかになっていない。現在、ミズーラ郡刑務所に拘留中のクローリーは児童を危険に晒した罪で起訴されているが、今後は余罪でも起訴される可能性があるもようだ。
今回の件で捜査にあたった1人ブレンダ・バセット警官は、「我々警察は、悲しい結末となった事件を公表することが多いですが、今回は男児の生存を伝えることができて喜んでいます。捜査に協力してくれた方々、911へ通報してくれた方々、男児を無事に救助してくれた方々へ感謝したい」と話している。