スピン1/2の素粒子であるフェルミ粒子は、その運動方程式がディラック方程式に従い、数学的な表式は4成分のスピノルとして表される。
フェルミ粒子のカイラリティには左巻きと右巻きとがあり、ディラック方程式中のディラックのガンマ行列をワイル表示で表すと、左巻き成分と右巻き成分は2種類のワイルスピノル(2成分スピノル)に分解できる。
電子と陽電子の関係のように、粒子と反粒子が荷電共役で結ばれている場合には、電子の左巻きワイルスピノルと陽電子の右巻きワイルスピノル、電子の右巻きワイルスピノルと陽電子の左巻きワイルスピノルがそれぞれ関連付けられる。
マヨラナ粒子は、ワイルスピノルが1種類のみで構成され、粒子と反粒子が同一となっている。
このような条件(マヨラナ条件)が満たされるのは、中性フェルミ粒子の場合に限られ、荷電フェルミ粒子はマヨラナ粒子になりえない。