JR大阪駅北側の再開発地区「うめきた2期」(大阪市北区、約16ヘクタール)の開発事業者に決まった三菱地所などのグループは「未来へのひらめきと原動力となる」として「みどり」をコンセプトに掲げた。「うめきたの森」と名付けられた、これまでの大阪になかった規模での本格的な緑地が整備される。豊かな緑をイノベーションにつなげる新しい試みが始まる。(林佳代子)

■「本物の緑」創出へ

 計画では、開発エリアの半分(約8ヘクタール)を大規模な緑地や芝生の広場として整備。その周囲にイノベーション施設や国際会議場を配置し、市民や観光客、ビジネスマンが幅広く足を運べる空間をつくり出す狙いがある。

 大阪市の吉村洋文市長は記者会見で「これまでの日本にないような空間ができることを高く評価したい」と述べた。

 世界の主要都市では、米ニューヨークのセントラル・パークや英ロンドンのハイド・パークなど、街の中心部にある公園が市民の憩いの場として機能している。

 関西経済同友会は平成26年9月、うめきた2期に限りなく自然に近い「ほんまもんの緑」を提言した。

 吉村市長は今年6月、米シカゴの公園「ミレニアムパーク」を視察した際に「うめきた再開発では付加価値のある公園を造りたい」と感じ、「本物の本格的な緑を(事業者側に)お願いしてきた」という。

 緑のあり方をめぐっては関西財界でも「単に森を造るだけでは意味がない」などの議論があったが、今回の計画では、芝生広場で野外イベントも開けるなど機能性にも配慮した。

■「1期」は5年間で2億6000万人来場

 うめきたはJR大阪駅北側に位置する広さ約24ヘクタールの再開発地域。旧国鉄の梅田貨物駅だったが、旧国鉄の分割・民営化に伴って貨物駅の移転と跡地売却が決定。行政と都市再生機構(UR)が連携し、再開発へと動き出した。

 東側が1期区域として先行開発され、25年4月に大型複合施設「グランフロント大阪」が開業。異分野にまたがる知の交流拠点「ナレッジキャピタル」をはじめ、オフィス、ホテル、商業施設、分譲マンションなどで構成され、梅田に新しい賑わいをもたらした。巨大なビルは大阪・キタのランドマークとなり、開業から5年間の累計来場者数は延べ約2億6300万人に達した。

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2018.7.13 07:15
産経WEST
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