◆衛星放送タダ見の不正カード、船員相手に販売

国内航路の貨物船の日本人船員を相手に、テレビの有料衛星放送を無料視聴できるようデータを改ざんした「B―CASカード」などを販売したとして、姫路海上保安部は11日、名古屋市港区の建設関連業の男(63)を不正競争防止法違反、わいせつ電磁的記録媒体頒布などの疑いで逮捕した、と発表した。
発表では、男は2016年11月〜17年9月、名古屋港に着岸中の貨物船内で、不正B―CASカード1枚と無修正のわいせつDVD20枚、勃起不全治療の無承認医薬品10錠を60歳代の船員に販売した疑い。

同保安部が17年12月、姫路港に入港した貨物船を検査した際、船員が不正カードなどを所持しているのを発見。
その後の捜査で男が浮上し、今年6月25日に逮捕、自宅などから不正カード15枚、DVD180枚、無承認医薬品229錠などを押収した。

男は14年頃から、名古屋港に着岸する貨物船員に対し自身を「便利屋」と称し、不正カードを1枚1万円、DVDを同1000円、無承認医薬品を1錠1000円で数百人に販売、計約540万円を不正に売り上げたという。
洋上では地上デジタル放送が見られないため、船員による衛星放送の不正視聴が後を絶たず、海上保安庁は14年からこれまでに、全国で計61人の日本人船員を私電磁的記録不正作出・同供用容疑で検挙している。

読売新聞 2018年07月14日 18時28分
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180712-OYT1T50039.html