福井県にある大飯原子力発電所3号機と4号機について、住民らが関西電力に運転しないよう求めた裁判で、住民側は、17日、最高裁判所に上告しない方針を明らかにしました。これによって住民側の訴えを退けた2審の判決が確定することになりました。

大飯原子力発電所3号機と4号機の運転をめぐり、住民らが関西電力に対して起こした裁判では、1審の福井地方裁判所が「地震の揺れの想定が楽観的だ」などとして運転しないよう命じましたが、今月4日、2審の名古屋高等裁判所金沢支部は、原子力規制委員会が行った大飯原発の審査に不合理な点はないとして、住民側の訴えを退けました。

これを受けて住民側は、最高裁判所に上告するかどうか検討を進めてきましたが、17日福井市内で会見を開き、上告しない方針を明らかにしました。

原告団の中嶌哲演代表は「最高裁判所は過去の原発訴訟で『規制当局の審査結果を尊重すべきだ』というメッセージを出すなど不当な介入をしてきたので、なにも期待できない。不信任と抗議の意志を込めて上告しないことを決めた」と述べました。

上告の期限は18日ですが、敗訴した住民側が上告しない方針を明らかにしたことで、訴えを退けた2審の判決が確定することになりました。

NHK NEWS WEB
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