佐々淳行 「 任せていいのか、小沢一郎に 」 諸君2008年12月号

慶応卒で、日大大学院で司法試験を目指して挫折した小沢副長官は、
官僚、特に東大出のエリート官僚に強いコンプレックスと
その裏返しの烈しい支配欲、対抗心、見下し、自己肥大症的自己顕示があったようだ。

とにかく威張る。 頭ごなしに叱る。 一々まぜかえす。
やたら虚勢を張る戦中生まれを代表する、権力欲の強い “ 壊し屋 ” だ。

田中角栄の一番弟子と謳われたが、それにしては人心収攬術が下手で、
河野 ・ 中川の両一郎、大野伴睦、山中貞則を彷彿とさせる 国内派 ( 国内でしか通用しない政治家 ) だった。

あるとき 「 三時間割くから安保問題のレクチャーせよ 」 との下命で、二人サシで進講した。
その言語は粗暴、態度はぞんざいで、一々反論し、まぜかえす。
辛抱して続けているうちに、 靴を脱いで官房副長官室の応接セットのガラス机の上に両足をのせ
(これくらいは許容範囲だと思っていたら)靴下をとって裸足の足指の水虫を掻き始めた。
明らかに腹をふくらますイソップ童話の 「 愚かな蛙 」 の蛙のごとき姿の不作法である。

名にし負う小沢一郎とはこんな人物かと、それ以来筆者は、彼を人格的に評価していない。