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2003.11.20
ヒゲクジラ:90年ぶりの新種 山口・角島沖で死がいで発見 (毎日新聞)
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20031120k0000m040166000c.html
98年に山口県豊北町の角島(つのしま)沖で死がいで見つかったクジラはヒゲクジラ類の新種であることが、独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所(横浜市)などの調査で判明し、20日発行の英科学誌「ネイチャー」に発表された。
76〜78年にインド洋と太平洋で捕獲され、種別が特定できないままになっていた8頭のクジラも同一種と分かった。
大型ほ乳類の新種発見は極めて珍しく、ヒゲクジラ類では13年のニタリクジラ以来90年ぶり。
学名はクジラ研究の第一人者、大村秀雄さん(故人)にちなんで「オムライ」、和名は「ツノシマクジラ」とそれぞれ名付けられた。
角島で見つかったクジラは体長約11メートルのメス。
外見はヒゲクジラ類のナガスクジラに似ていたが、体長がナガスクジラの成体の半分しかなく、当初は子供と思われていた。
ところが、骨の成長が止まった成体だと分かり、新種である可能性が高まった。
同研究所や国立科学博物館、岩手県立博物館が合同で骨格の調査と、筋肉や肝臓などのDNA鑑定を実施した。
上あごの骨の形態やヒゲ板の数などがナガスクジラと異なり、DNA分析でも現存のクジラ(約80種)とは違うことが判明した。
研究グループは76〜78年に捕獲された8頭も同一種だと確認し、ナガスクジラ属の特徴を確定した。
ナガスクジラ属は新種を含め8種、ヒゲクジラ類は15種となった。
ヒゲクジラの学名に日本人の名が付くのは初めて。
76年から調査を続けてきた和田志郎・中央水産研究所細胞生物研究室長(水産資源学)は「クジラは世界中に生息しているため、比較、検討が難しかった。新種であることが分かり、長年の研究が実った」と喜んでいる。
【足立旬子】