死刑が確定していたオウム真理教元幹部ら全員の刑が執行されたのを受け会見する、「地下鉄サリン事件被害者の会」の代表・高橋シズヱさん。汗を拭きながら会見に臨んだ
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 オウム真理教元幹部の死刑囚全員の執行が終わったことを受け、「地下鉄サリン事件被害者の会」代表世話人の高橋シズヱさん(71)は26日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開き、「13人の死刑が執行されても、被害はまだ続いている」と訴えた。

 報道や法務省からの連絡で執行を知ったという高橋さん。ある遺族に電話すると、「やっと娘の敵が討てました」との言葉が返ってきたという。会見では、「刑事司法としては終わったことになるかもしれないが、後遺症を抱えている人、事件に触れられない遺族もいる。すごくつらい」と、被害者らの思いを代弁した。

 また、営団地下鉄(現・東京メトロ)霞ケ関駅助役だった夫の一正さん=当時(50)=が犠牲になった地下鉄サリン事件を挙げて「教団の恐ろしさは日本だけでなく、世界中が感じたこと」と改めて強調。現在の社会の課題については、「被害者の支援の必要性が叫ばれているのに、まだ十分ではない」とした。

 被害者や遺族を支援する「オウム真理教犯罪被害者支援機構」副理事長の中村裕二弁護士は「前例のない執行が行われた。教団が凶悪犯罪を引き起こした原因がどこにあるのか、国民一人一人が改めて考えないといけない」と力を込めた。

2018.7.26 13:25
産経ニュース
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