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米政権、海上要路防衛の軍事手段を検討 イラン威嚇受け
2018.07.28 Sat posted at 15:14 JST

ワシントン(CNN) イランとの対立が高じるトランプ米政権が中東地域の海上要路を確保するための軍事的な選択肢の検討を開始したことが28日までにわかった。2人の政権当局者が明らかにした。

仮に軍事行動に踏み切った場合、主体となるのはサウジアラビアなどの地域の同盟国で米軍ではないことを想定している。米軍艦船や航空機の中東地域への定期的派遣が続行されたとしても要衝の海路確保のための長期的な軍事手段の行使には地域諸国の関与が必要としている。

中東を管轄する米中央軍のボーテル司令官は先に、同地域を訪ね軍幹部らと協議した。ただ、中東における商業航路に関してどれだけ突っ込んだ話し合いがあったのかは不明。海上要路の確保をめぐっての行動実施が差し迫った段階にあるのかもわかっていない。

サウジは内戦下にあるイエメンに軍事介入し、イランが肩入れする反政府武装組織フーシの勢力伸長を阻止している。米国は諜報(ちょうほう)提供などでサウジを支援している。イエメン沖の紅海では今月25日、フーシがサウジの石油タンカー2隻を攻撃する事態も生まれていた。フーシはまた、サウジ本土へのミサイル攻撃も仕掛けている。

イランとの核合意から離脱を決めたトランプ政権はイランへの制裁再開に踏み切る構えで同国産原油の全面禁輸にも言及。これに対しイラン指導部はペルシャ湾に通じるホルムズ海峡封鎖などの対抗措置も示唆している。同海峡は原油輸送の国際的な生命線ともなっている。

イエメン西部ホデイダ港近くで25日に起きた石油タンカー攻撃事件では、1隻が軽度の損傷を受けたものの原油漏出は起きなかった。サウジの国営石油会社「サウジアラムコ」はこれ以降、ホデイタ近くの海峡を通じた原油輸送を全面的に停止した。

この中で米国のマティス国防長官は27日、中東地域における原油輸送の海上要路の開放に米国が関与し続けるとの方針を強調。仮にイランが原油輸送の直接的な妨害に踏み込んだら、水路を開くための明確な国際的な対応が生まれるとけん制した。
また、中東でのイランの影響力に対抗するためサウジ、バーレーン、クウェートやアラブ首長国連邦(UAE)との共闘を続けるとも述べた。

25日にはイエメン西部ホデイダ港近くで石油タンカー攻撃が起きた
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