「ロシア、中間選挙へ介入」米当局が警戒表明
大統領への「弱腰」批判を意識か
2018/8/3 8:18 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33754090T00C18A8000000/

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180803/K10011561961_1808031435_1808031441_01_02.jpg

【ワシントン=菅野幹雄】米国のボルトン大統領補佐官(安全保障担当)ら国家安全保障を担う政権高官は2日、ホワイトハウスで記者会見し、ロシアが11月の米中間選挙に向けた介入を続けていると強い警戒感を表明した。
米政権が一丸となって選挙介入を防ぐ体制を敷いたことも強調した。トランプ大統領に向けられた「弱腰」批判を払拭する狙いがうかがえる。

異例の共同会見にはボルトン氏、コーツ国家情報長官、レイ連邦捜査局(FBI)長官、ニールセン国土安全保障長官、ナカソネ国家安全保障局(NSA)局長の5氏が勢ぞろいした。

ボルトン氏は上院議員の数人から直近に書簡を受け取るなど議会側の関心の強さに言及し、「ロシアや他国からの選挙干渉を防ぐ大統領の指導力と決意を示すのが重要だ」と述べた。

コーツ長官は「中間選挙に向けて、ロシアが米国を弱め、分断させようとする拡散性の情報を流している」と明言。ハッキングなどで候補者や政権高官の情報を盗もうとする動きに言及した。

他の高官もサイバー攻撃や交流サイトを通じた情報戦に対する警戒と捜査活動を連携して進める意向を示した。

ロシアの選挙介入を巡っては7月16日の米ロ首脳会談後、トランプ大統領がロシアのプーチン大統領の強い否定に同調する発言をしたものの、コーツ長官や米議員の強硬な反論を受けて一転、「言い間違いだった」とロシアの介入を認めた経緯がある。

トランプ氏は16年の大統領選でのロシアとの共謀疑惑を巡るモラー特別検察官など司法当局の動きを「魔女狩りだ」と非難、1日にもツイッターで捜査終結を要求した。
大統領の不信を買う当局が選挙介入防止の最前線を担うという皮肉な構図になっている。