>>88
欧州委員会は、域内のEU市民からの意見を募集するにあたり、さまざまな分野で夏時間がもたらす影響について最新の研究成果などを紹介している。

廃止の是非を議論するにあたり、根拠となる「エビデンス(客観的証拠)」を提示し、それが信頼できるものかを含めて市民と対話を深め、結果に納得してもらうために必要なプロセスだからだ。
欧州委は各分野で考えられる効果を次のように簡略にまとめている。

【域内市場】
加盟国が個別に夏時間の廃止を決定した場合、貿易におけるコストの上昇や交通・通信などにおける混乱を招き、EU市場には不利益が生じる。

【省エネ】
効果はごくわずかで、地理的な要因にも左右される。

【健康】
屋外での活動を推進する効果がみられる一方、人間のバイオリズムには従来考えられていたよりも厳しい影響があることが示唆される。
総合的な影響は結論が出ていない。

【交通安全】
事故の減少と夏時間との関係の結論は出ていない。

【農畜産業】
動物のバイオリズムの変化や搾乳時間の変更による以前からの懸念は技術的な対応で解消された。
日中の活動時間が延びる利点はある。