【2010/10/8】
フィリピン人の遺骨が大量混入?
国が民間に丸投げする「戦没者 遺骨収集事業」の実態 
遺骨収集に携わる 民間団体の正体は?

 フィリピンでの現地取材から浮かび上がってきた「空援隊」とは一体何者なのか。
それは、フィリピンで活動するNPO法人。
去年、国から遺骨収集事業を全面委託されていた団体だった。

 そもそも国は、なぜ遺骨収集事業を民間団体に委託したのか――。

 もともと国は、昭和27年から、戦友会など戦争体験者とともに直接現場に出向いて、
遺骨収集を行ってきた。しかし、関係者の高齢化とともに情報が集まらなくなり、
収集される「遺骨」が減少。海外に残される114万もの遺骨をどうするのか、
大きな課題となっていた。そこで、事業を主管する厚生労働省がその打開策として考えたのが、
現地の事情に詳しい民間団体への委託だった。

 委託を受けた「空援隊」は、これまでとは全く違う収集方法を取り入れた。
まずフィリピン各地に支部を設置。現地のフィリピン人に協力を求め、
遺骨を収集してもらう。そして、骨とひきかえに「労賃」としてお金を渡すことにしたのだ。
平成18年度に45まで減った収集数は、昨年度には7740にまで激増。
この実績が認められ、空援隊への委託費は今年度4700万円に倍増した。

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空援隊の男:「ミンドロの周りにはあっちにもこっちにも島があるからかなあ。
空援隊は何も悪くないよ。問題があるなら実際に骨を集めた人間が悪いんだ。
彼らのやってることをすべて監視できないよ」

 「盗みは指示していない」と言う男性。「仮に、盗まれた遺骨が持ち込まれたとしても、
日本人の骨と区別する仕組みがある」と主張する。

 空援隊の男:「最後に専門家が鑑定して証明するんだよ。遺留品なんかが出れば
俺でもわかるけど、専門家が死亡した年などきちんと調べているんだ」

 空援隊が集めた遺骨は1ヵ所にまとめられ、最終的に専門家によって
「日本兵のものかどうか」鑑定されるという。専門家の鑑定とはいかなるものなのか。
追跡チームは首都マニラに乗り込んだ。

 2年前から遺骨の鑑定を引き受けているという人物を直撃した。
国立博物館学芸員のアーネスト・フィルメ氏だ。「日本兵の遺骨」を
どう選別しているのかと問うと、その答えは「驚くべき」ものだった。

フィルメ氏:「私は『これは日本人の骨だ』と言ったことはありません。
人間の骨を肉眼で見たって、どこの国の人間かなんて分かるはずがありません」

https://diamond.jp/articles/-/9652?page=2