産経新聞 2018.8.18 05:00

政府専用機の代替わりに伴い、現行機は来年3月に退役を迎える。
通例なら退役後の自衛隊機はスクラップにされる運命だが、日本初の政府専用機としての歴史的・資料的価値があり、長く日本の「顔」として活躍した功労者でもある。
航空自衛隊は機体の保存の可能性も含め、民間から活用のアイデア募集を始めた。

現行機は、「ジャンボ」の愛称で知られる米ボーイングの「B747−400」。政府が平成3年に2機を約360億円で取得、空自千歳基地を拠点に平成の日本外交を支えてきた。
総飛行時間は7月末で2機とも約1万6千時間に達している。

国内で同型機を運用する航空会社がなくなり、整備委託が難しくなったため、政府は26年に後継機としてB777を選定した。現行機は30年度いっぱいで引退の運びとなった。

空自は8月に入り、現行機の処分法について民間から提案募集を開始し、8日の説明会には15程度の企業・団体が参加した。24日に募集を締め切り、今年度内に方針を決めるという。

自衛隊機は空自浜松広報館(静岡県浜松市)などで保存・展示されている例がある。
ただ、なにぶん専用機は巨体だ。運用部隊の地元・北海道千歳市も保存の可能性を探ったが、清掃などに年間1億円超のコストが必要なことで断念した。

空自は、改装して民間機として再生する選択肢も視野に入れる。「幅広い可能性について提案を募りたい」(広報)としている。(千葉倫之)

政府専用機の性能
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