大阪・梅田の高級キャバクラで働いていた小西優香さん(20)の遺体が11日、兵庫県加古川市の権現ダム湖で見つかった事件で、
兵庫県警加古川署捜査本部は19日、死体遺棄の疑いで逮捕した職業不詳の森翔馬(20)、稲岡和彦(42)の両容疑者を送検した。
小西さんが行方不明になった日の状況が明らかになってきたが、2容疑者は容疑を否認したまま。
小西さんとの関係は不明な点が多い。捜査本部は第3の男に注目している。

2人の逮捕容疑は、9日午前7時半ごろから11日午前8時40分ごろまでの間に、ダム湖に小西さんの遺体を捨てた疑い。

遺体は11日午前、透明の衣装ケースに入った状態で、釣り人が発見した。ケースには重りの土のうが付けられていた。
顔にはうっ血した痕があり、絞殺された可能性が濃厚だ。
遺棄現場から西に約6キロの場所には稲岡容疑者の実家があり、土地勘があったとみられる。

両容疑者は容疑を否認。稲岡容疑者は取り調べに「森に頼まれてやった。(ケースの中身は)物だと思っていて、人だとは思わなかった」と話している。
遺体は、運転免許を持っていない森容疑者に依頼された稲岡容疑者が運転する車で運ばれたとみられる。

小西さんは行方不明になる前日の8日、勤務する高級キャバクラに出勤していた。
梅田で飲食店を営む男性は「その日は、スーツを着た男性とアフターで、飲み屋に出かけた姿を見た」と証言。

その後、小西さんは、大阪府内の友人と続けていたLINEのやりとりが9日午前7時ごろ、途絶えた。
その30分後には、大阪市内の防犯カメラに、森容疑者とタクシーに同乗する姿が写っていた。
小西さんはこのとき、肩を出した洋服に白ジーンズ、ハイヒール姿で、森容疑者はTシャツだった。

「その後、森容疑者のマンションに一緒に入るのが防犯カメラに写っていたが、小西さんがマンションを出るところは写っていなかった。
森容疑者が自宅で殺害した可能性もある」(捜査関係者)

司法解剖の結果、小西さんの体内から薬物反応がみられた。
捜査本部は18日、両容疑者の自宅を家宅捜索。森容疑者宅から何らかの薬物が押収されれば、小西さんは森容疑者宅で薬物を摂取させられた可能性が高まる。

稲岡容疑者を知る人物は「彼は10年以上前に、大阪市内に移り住んだ。
営業職などを転々として、香川にも住んでいた。金に困っていたそうだ」と明かす。

森容疑者は大阪・枚方市出身。大阪市内の高校を中退後、同市内のガールズバーの店長をしていた。
事情を知る人物は「客をシバいたか何かで、客に行方を追われ、逃げたらしい」と語る。

小西さんと森容疑者の接点は不明。交際していたのか、キャバクラでキャバ嬢と客として知り合って閉店後に“アフター”に連れ出したのかなど、関係は今後、明らかになりそうだ。
さらに、捜査関係者は第3の男が関与している可能性もあるとみて、捜査を進めているという。

元警視庁刑事で犯罪心理学者の北芝健氏は「おそらくバックアップしている広域暴力団が存在する」とみている。

両容疑者は捜査員に対し、互いについて「知らない」と供述。
北芝氏は「2人ともなかなか口を割らないということであれば、今回の殺人はヤクザ系、反社会勢力の男が計画を立案した可能性も想像できる。
その男がヤクザだから、口を割れないのでしょう」と、捜査本部が可能性を考えているという第3の男について指摘する。

小西さんと森容疑者の関係については「稲岡容疑者が小西さんの客だった場合も考えられる。
例えば夜の世界では、相手のキャバ嬢との間にトラブルが起きたので『ちょっと頼みますよ』と言って、相手の女性を殺すことも十分あり得る」と北芝氏は語った。


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2018年08月20日 19時00分