鋼材の原料を架空発注して会社側から代金をだまし取ったとして、兵庫県警が新日鉄住金広畑製鉄所(同県姫路市)の元社員、田島智生容疑者(43)=姫路市=を詐欺容疑で逮捕していたことが21日、捜査関係者への取材で分かった。同社が2011年以降に総額約5億円の詐欺被害を受けたとして刑事告訴していた。

 捜査関係者によると、田島容疑者は複数の回収業者と共謀し、鉄スクラップを納入したとする架空の伝票を作成、業者への代金を振り込ませていた疑いがある。03年ごろから架空発注を繰り返し、業者からキックバックを受け取っていたとみて調べている。

 県警捜査2課は、同社が別会社を通じて業者に支払った代金約300万円を詐取した容疑で、6月に田島容疑者と業者の男(69)を逮捕。共に神戸地検姫路支部が詐欺罪で起訴している。

 捜査2課は21日、別の2業者と共謀して計約760万円をだまし取った疑いで、田島容疑者を再逮捕する方針。社内調査で不正が発覚し、同社が懲戒解雇していた。〔共同〕

2018/8/21 10:41
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34382370R20C18A8AC1000/