スペイン語の試験で、過去最高成績を収めた通訳官の村主巡査部長=亀山署で
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亀山署警務課の通訳官、村主恭子巡査部長(37)が、通訳官向けの語学研修の試験で、県警の通訳官としては過去最高成績を収めた。堪能なスペイン語で外国人の生活の手助けから取り調べまで幅広く活躍する中、「外国人が日本社会で共生するために、勉強してきた語学が生かせてうれしい」と目を細める。

村主巡査部長は小学生から英語を習い、他の言語も身に付けたいと大学で外国語学部に進学し、スペイン語を専攻した。メキシコに二カ月、スペインに一カ月留学もした。

二〇〇四年度に採用され、四日市南署、本部の国際捜査課(現・組織犯罪対策課国際捜査室)などで勤務。一一年から産休と育休を取得し、復帰後は亀山署で勤務している。

県警の通訳官は現在六十六人おり、十三言語に対応している。十年以上前から、通訳官の語学力を向上させるため、毎年外部の語学学校で五日間の研修を受けている。今年は五、六月に三人が受験した。

村主巡査部長は本部の勧めもあり研修を受講。最終日にペルー人講師の口頭試験があり、最高ランクの「レベル10」の成績を収めた。レベル10は、過去三十人の受験者の中でも最高の成績。「日常会話の試験だったので、もっと仕事で使う専門用語も覚えたい」とやる気は尽きない。

通訳官は通常の業務に加え、免許の更新から、落とし物の問い合わせ対応まで、外国人住民が日本社会に溶け込めるよう手助けする。対応するのはペルー人が多く、「ヨーロッパと違い、中南米のスペイン語は使う単語も違って慣れずにつらかった」と振り返る。

取り調べ中の通訳では、容疑者にとって不利になることを伝えるために使うことに葛藤もあった。「今では真実を確かめることにつながると思えるようになった」と話す。

小学二年と幼稚園児の二児の母。容疑者の取り調べ前には、子どもたちを寝かしつけた後、法律用語の単語をチェックしたり、警告書のひな型を翻訳したりと努力を欠かさない。「警察官でも語学を生かして働ける。外国語ができる警察官が増えてほしい」と話している。

2018年8月21日
中日新聞
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