https://www.bbc.com/japanese/45267034

口止め料はトランプ氏の指示 元顧問弁護士が罪状認め証言
2018/08/22 9時間前

ドナルド・トランプ米大統領の元顧問弁護士で選挙法違反の罪に問われているマイケル・コーエン氏(51)が21日、米ニューヨーク・マンハッタンの連邦地裁で罪状を認めた。

コーエン氏は、2016年の米大統領選キャンペーン中にトランプ氏と性的関係を持ったと主張する女性に口止め料が払われたことについて、「大統領候補者」の指示で「選挙結果に影響を与えるため」に支払いをしたと述べた。

同氏はこのほか銀行詐欺や税金詐欺など8件の罪に問われているが、全てについて罪状を認めている。

一方、遊説先のウェストバージニア州を訪れていたトランプ大統領は、コーエン氏に関する記者団からの質問を無視した。
ホワイトハウスもコメントを控えている。

法廷で何が起きた?

コーエン氏は「大統領候補者」の指示で選挙法を破ったと述べた。コーエン氏は候補者の名前を言わなかったが、トランプ氏本人だとみられる。

コーエン氏には最大65年の禁錮刑が言い渡される可能性がある。
しかしウィリアム・ポーリー判事は、司法取引によって最大5年3カ月となる可能性があると述べた。

量刑言い渡しは12月12日と決められた。コーエン氏は50万ドル(約5500万円)の保釈金で釈放された。
公聴した記者によると、判事の質問に答えるコーエン氏の声は震えていたという。

判事から罪状認否の前にアルコールや薬物を使用したかと質問されると、コーエン氏は前日夜に12年物のシングルモルト・スコッチを1杯飲んだだけだと答えた。

検察側の主張は?

コーエン氏は10年以上にわたってトランプ・オーガニゼーションに勤めた後、大統領選後もトランプ氏の私的弁護士を務めていた。

米連邦捜査局(FBI)は4月、コーエン氏の事務所や滞在先のホテルを家宅捜索し、多数の資料を押収した。

ニューヨーク州南地区連邦検事のロバート・クザミ氏は、熟練弁護士であるコーエン氏の罪は「特に重大だ」と話した。
「コーエン氏はその訓練を軽視し、伝統を軽視し、自分が法の上にあると思った。その結果としてとても、とても大きな代償を払うことになるだろう」

連邦検察はコーエン氏とその家族が保有しているタクシー会社など、関連の事業活動を数カ月にわたって捜査してきた。

クザミ連邦検事は、コーエン氏はこのタクシー会社からの報酬130万ドルや仲介料10万ドル、顧問料20万ドルを過去5年にわたって申告していなかったと述べた。
この他にもコーエン氏はトランプ陣営に対し、昨年に弁護料として「偽」の請求書を送ったほか、さらに「過剰な選挙キャンペーンへの支援金」の返済を求めて別の偽造請求書を送ったという。

口止め料の支払先は?

米ポルノ女優のストーミー・ダニエルズ(本名ステファニー・クリフォード)氏は今年3月、2006年にトランプ氏と性的関係を持ち、2016年の大統領選キャンペーン期間中にコーエン氏から13万ドルの口止め料を受け取ったと主張した。
トランプ大統領はこれを否定していたものの、5月には、口止め料をコーエン氏に払い戻したことを認めた。
コーエン氏は、選挙の2カ月前にプレイボーイ誌の元モデル、キャレン・マクドゥーガル氏の体験談の買収をめぐってトランプ氏と交わした会話を録音した。マクドゥーガル氏はトランプ氏と不倫したと主張している。
21日の罪状認否では、マクドゥーガル氏は「女性1」、ダニエルズ氏は「アダルト映画女優」の「女性2」と記されていた。
選挙候補者に不利になる情報を伏せるための口止め料は、米選挙法違反になる可能性がある。
(リンク先に続きあり)

(英語記事 Trump 'directed' hush money, says Cohen)