可児市の小中学校教諭らを対象に二十二日に市文化創造センターで開かれた市教委主催の教育講演会で、講演者の地域エコノミスト藻谷浩介氏が会場に現れず、来場者約五百人が到着を待つ事態となった。藻谷氏が一年前に受けた講演依頼を予定表に記載していなかったのが原因といい、近く可児市に出向き、関係者に謝罪する意向だ。

 講演会では、午後一時から藻谷氏が登壇する予定だった。会場では「到着が遅れている」というアナウンスが繰り返し流され、三十分後に同センターの衛紀生館長が代わって講演した。

 市教委によると、講演に当たっては藻谷氏の希望でメールで連絡を取っていた。開会が迫る時間から複数回、藻谷氏にメールを送ったが、返信がなかったという。藻谷氏は本紙の取材に「私の不手際で多大なる迷惑を掛けて申し訳ない」と話した。

 藻谷氏は「デフレの正体」や「里山資本主義」などの著書で知られる。全国各地で年間三百回以上の講演を行っているが、今回のような事態は初めてという。

2018年8月23日
中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20180823/CK2018082302000036.html