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イタリア新政権 難民受け入れ拒否で各国が再び対立
2018年8月24日 6時11分

厳しい移民規制を掲げるイタリアの新政権は、自国の沿岸警備隊が救助した移民や難民について、イタリアへの上陸を認めず、ほかのヨーロッパの国々に受け入れを求めていて、難民問題をめぐって各国が再び対立する事態となっています。

イタリアの沿岸警備隊は、今月15日、イタリア南部のランペドゥーザ島沖でアフリカから船でヨーロッパを目指していたおよそ190人を救助しました。

しかし、厳しい移民規制を掲げるイタリア新政権は、救助活動が行われたのは地中海のマルタの領海であり、救助された人々はマルタが受け入れるべきだと主張し、イタリア南部の港に停泊した警備隊の船から降りることを認めていません。

未成年者など一部については人道上の理由から上陸を認めましたが、残るおよそ150人は救助から1週間たった今も船の上での生活を余儀なくされています。

イタリアのサルビーニ内相は23日、みずからのツイッターに「イタリアはヨーロッパの難民キャンプにはならない。私の権限でだれも降ろさない」などと書き込み、救助された人々の上陸を認めないと強調していますが、マルタ政府も受け入れを拒否する姿勢を崩していません。

EU=ヨーロッパ連合は、ことし6月の首脳会議で、イタリアの新政権の求めを受け難民問題で加盟国が協力することを確認しましたが、早くも各国の対立が表面化する事態となっています。