西日本豪雨の被災地、広島県三原市にあるJA三原の本郷カントリーエレベーターで23日、2018年産の早期「コシヒカリ」の買い入れ検査が、県内で最も早く始まった。
9月上旬から県内スーパーなどで販売される予定。
豪雨の影響で、JAの18年産の出荷量は例年より3割少ない60トンの見込みだが、農家は少しでも収穫できたことに安堵(あんど)している。

 JA管内では早期「コシヒカリ」の主産地である本郷地区などが河川の氾濫(はんらん)で甚大な被害を受けた。
同市の中廣洋治さん(51)は、水稲10ヘクタールを栽培。
10アールは農地ごと流され、残った水田には流木や石が残る。
近くの橋が崩壊し、今月11日まで水田の確認もできなかった。

 近所の農家が管理してくれた水田もあり、一部の田で収穫を始めたが、水田に残る石を避けるために30センチほどの高さで刈り取る必要があり、収穫できない稲もあるという。

 中廣さんは今年の収量が半分程度に減る見込みだが「できる分だけでも刈り取り、来年も頑張りたい」と笑顔を見せた。
JA営農課の林康輝課長は「農家によっては半分も収穫できない農地がある。暑さで品質面も非常に厳しい。復旧・復興につながるよう、消費者には収穫の喜びを感じながら県産の米を食べてほしい」と話した。

機械で刈り取れず残された稲を持つ中廣さん(23日、広島県三原市で)
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2018年08月24日