◆もんじゅ燃料、30日取り出し=22年までに530体計画−原子力機構

日本原子力研究開発機構の児玉敏雄理事長は28日、西川一誠福井県知事と面談し、高速増殖原型炉もんじゅ(同県敦賀市、廃炉作業中)の核燃料取り出し作業を30日に開始する方針を明らかにした。
2022年12月までに原子炉と、冷却材のナトリウムで満たされた「炉外燃料貯蔵槽」にある計530体の核燃料を水のプールに移す。

もんじゅの廃炉には30年が必要で、核燃料の取り出し作業は第1段階に当たる。
作業は難航が予想され、スケジュール通りに進むかは不透明だ。

西川知事は「もんじゅは国家プロジェクトとしてスタートした。
廃止措置を最後までやり遂げるのが機構の責務だ」と強調。

「最初が大事なので、安全確実にという強い覚悟で実行願いたい」と求めると、児玉理事長は定期的に現場まで足を運ぶことを約束した上で、「強い覚悟で取り組んでいく」と応じた。
もんじゅには、原子炉に370体、炉外燃料貯蔵槽に160体の核燃料があり、取り出し作業は貯蔵槽から着手する。

1日に1体程度の核燃料を取り出す予定で、年内に100体を移送する計画。原子炉からの取り出しは来年7月の見込み。
もんじゅは1994年に初臨界を達成したが、95年にナトリウム漏れ事故が発生。

2010年には、燃料の交換に使う炉内中継装置が落下するなど事故やトラブルが相次いだ。
政府は16年に廃炉を正式決定し、原子力規制委員会が今年3月に廃炉計画を認可した。

機構は当初、7月下旬の燃料取り出しを予定していたが、設備の最終確認試験で不具合が相次いだため8月に延期した。
今月19日に始めた最終訓練でも、初日に警報が鳴って作業が一時中断するトラブルが起きた。

時事通信 2018/08/28-19:04
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018082800761&;g=soc