焼き肉店などを経営するフードイズム(東京都港区)は、明治大学農学部の村上周一郎准教授と共同で発酵熟成肉を製造できる「エイジングシート」を開発した。シートを肉に巻くだけで、通常50〜60日かかるところを半分の30日程度で発酵熟成肉を作れるという。

 シートはレーヨン製で、人体に影響がなく肉の熟成に適したかび「ヘリコスチラム」を付着させた。大きさは縦約50センチ、横約100センチ。牛肉にシートを巻き付け4度以下で冷蔵すると、1枚当たり熟成肉が20キロ作れる。価格は1枚4800円。同社と村上准教授が共同出資した会社、ミートエポックが製造する。

 通常、熟成肉を製造し商品にする場合、肉の表面の5、6割を削り廃棄する。しかしシートを使えば廃棄部分は2割程度に抑えられ、「歩留まりが高まる」(同社)。

 跡部美樹雄社長は「シートを使えば、誰でも安定した熟成肉を作ることができる。牛肉だけでなく、豚肉、鶏肉、魚肉、ジビエ(野生鳥獣の肉)にも使える」と話す。

日本農業新聞
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