世耕弘成経産相と、共同通信が全面対決している。
原発のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の再処理を、政府が「事実上断念した」という記事を、世耕氏が完全否定して訂正を求めているのだ。
エネルギー資源に乏しい日本にとって極めて重要な問題だが、真実は何なのか。

「事実と異なり、大変遺憾だ。MOX燃料の再処理をやめるなどの政策変更はしていない」
世耕氏は、4日の記者会見でこう述べ、共同通信に抗議したことを明らかにした。

発端は、同社が2日に「独自ダネ」として配信した記事だ。
電力会社10社はこれまで、MOX燃料の再処理費用を社内で積み立てていた。
記事は、2016年度から費用計上を中止したとして、「資金面での根拠を失い、事実上、MOX再処理の断念となる」と報じた。

しかし、経産省側の言い分は異なる。
再処理費用は、安定的な管理・運用を目指し、積立金ではなく、電力会社が16年に設立された認可法人「使用済燃料再処理機構」に支払う「拠出金」でまかなうことになり、「会計面の処理方法が変わっただけだ」(世耕氏)と説明する。

電力会社10社でつくる電気事業連合会も、ホームページで「再処理を断念した事実はない」との見解を出した。
共同通信は4日配信の続報で、世耕氏の反論を盛り込む一方、「記事の内容は十分な取材に基づいている。
今後も取材を継続し、報じていく」とコメントし、対決姿勢を鮮明にした。

世耕氏は当然黙っていない。
ツイッターで「これほど酷い報道+弁解記事は見たことがない」と痛烈に批判した。
ネット上には「(共同通信の)フェイクニュースでは」といった指摘もみられるが、共同通信は、どう加盟社や国民の理解を得ていくのか。

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