https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180908-00000073-asahi-soci

集落が土砂にのみ込まれた厚真町吉野地区。北海道厚真高校1年の滝本舞樺(まいか)さん(16)が
見つかったのは、地震当日の6日午後のことだ。親族によると、家は10メートルほど下の田んぼまで押し流された。
父親(39)の死亡も確認された。

舞樺さんの同級生の山口海梨(かいり)さん(15)は、いまも親友の死を受け入れられない。
1学年22人の小さなクラスで、誰よりも仲が良かった。

6日午前3時8分。震度7の地震に襲われてすぐ、舞樺さんの携帯に電話した。4回かけてもつながらない。不安がつのる。

「まいまいの家は昔ながらの家だから……」

空が白んできた午前5時ごろ、たまらず4キロほど離れた舞樺さんの家に向かった。
でも、途中で道路が土砂に覆われていて、行けなかった。その夜、遺体で見つかったと聞いても、信じられなかった。

保育園から高校までずっと一緒だった。中学のときに入った吹奏楽部で、山口さんはサックス、舞樺さんはフルートを担当した。
部活で悩んでいたとき、舞樺さんが「海梨ちゃん、一緒に帰ろ」と気にかけてくれた。いつの間にか、一番仲のいい友達になった。

この春から高校に通いはじめると、毎日のように放課後は学校近くのスポーツセンターやコンビニでおしゃべりをした。
ヘアスタイリストをめざしていた舞樺さんは、よく髪をアレンジしてくれた。地震前日の5日も、「海梨ちゃん、編み込みしてあげよっか」
と言ってくれた。

舞樺さんは、よくじゃれてきた。携帯には、舞樺さんをおぶった写真がたくさんある。

地震が起きてから、ツイッターで舞樺さんに呼びかけつづけた。亡くなったことがわかったあとも。

8日には、こうつづった。

「わがままで意地っ張りで、でもめちゃめちゃ甘えてきて。いつも背中に乗っかってて。いつでも一緒だから
ずっとおんぶしててあげるから離れないでね。見守ってね」


滝本舞樺さん(左)と山口海梨さん(2018年6月、山口さん提供)
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