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オバマ氏、中間選の接戦区で始動「市民が立ち上がろう」
アナハイム〈カリフォルニア州〉=土佐茂生
2018年9月9日20時0分

 オバマ前大統領が、11月6日の米中間選挙に向けて動き出した。退任後はトランプ政権と距離を置き、表舞台にほとんど出てこなかったオバマ氏だが、カリフォルニア州で8日、民主党の候補者とともに、「市民一人ひとりが立ち上がろう」と訴えた。中間選挙では、新旧の大統領による闘いが繰り広げられそうだ。

 「Yes, We Can!」。オバマ氏はジャケットを着ず、ネクタイもしていないラフな格好で、カリフォルニア州南部アナハイムの会議場に姿を現した。すると、約900人の民主党支持者から自然と、オバマ氏が大統領選で使ったキャッチフレーズの大合唱が起きた。

 オバマ氏は演説で、「我々は今、難しい局面にある」と語り始めた。

 トランプ大統領の名指しこそ避けたが、現在の政治状況について、「先が見えにくい時代、政治家は自分の利益のため、人々を分断させ、欺こうとする誘惑に駆られる。政治が動かなくなると、人々は冷め、参加しなくなる。その隙間を一部の利害関係者が埋めようとし、人々は、ますます『何も変わらない』と落胆する」と批判した。

 しかし、とオバマ氏は続ける。「我々がともに力を合わせ、米国のベストを尽くすことができれば、解決できない問題はないと深く信じている」と強調。そのうえで、「民主主義に対する最大の脅威は、一人の個人でも、億万長者でもなく、無関心だ。我々はやるべきことをやっていない。市民一人ひとりが立ち上がろう」と呼びかけた。

 演説後、多くの支持者らがオバマ氏に近づき、握手や記念撮影を求めるなど、大統領を辞めてから1年半以上たってもなお、その人気ぶりを見せつけた。
 医師で民主党支援団体にも参加…
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