佐賀県中部の寺で今年3月、60代の男性住職がトイレにカメラを設置して盗撮行為をしていた疑いがあることが10日、関係者への取材で分かった。寺では子どもを対象にした習い事の教室が開かれており、通っていた小学生の女子児童が機器を見つけ、発覚した。佐賀県警は複数人が被害に遭った可能性もあるとみて、県迷惑防止条例違反の疑いで捜査している。

 関係者によると、教室の運営会社が6年ほど前から寺の施設を借り、講師の40代女性が小中学生を中心に教えていた。3月下旬、女子児童が寺の洋式トイレ内で、ごみ箱の上にあった小型機器に気付き、触ると熱を帯びていた。寺には当時、児童や生徒が15人前後いた。その2〜3週間前にも、別の女子生徒がトイレの天井に同様のものがあるのを見たという。

 運営会社など複数の関係者によると、住職は盗撮行為を認め、「講師を撮影する目的だった」などと話したという。運営会社は4月以降、教室を別の場所に変えて開いている。

 住職は、佐賀新聞社の取材に対し「お話しすることはできません」と話した。

 盗撮行為の規制強化を巡っては、改正県迷惑防止条例が今年2月に施行。規制対象が、公共の場所に加え、学校や貸し切りバスなど「特定多数の人が利用する場所」にも広がったほか、機器の設置行為も対象となった。

9月11日8:05 佐賀新聞
https://www.saga-s.co.jp/articles/-/273253