札幌市 26年冬季五輪断念 「30年以降」IOC伝達へ
毎日新聞 2018年9月13日 21時40分(最終更新 9月13日 22時50分)

 日本オリンピック委員会(JOC)は13日、竹田恒和会長と札幌市の町田隆敏副市長が、スイス・ローザンヌを訪問して国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長と17日に会談することを明らかにした。冬季五輪招致で2026年を断念する意向を伝え、30年以降を目指す方針の変更について、バッハ会長に理解を求める。

 札幌市はIOCの招致プロセスで、立候補の可能性を探る第1段階の「対話ステージ」に参加している。10月から正式招致の「立候補ステージ」に移るため、最終判断の時期だった。26年招致への札幌市民の熱が高まらないうえ、北海道新幹線の札幌延伸など都市整備が進む30年以降に変更すべきだとの意見が大勢だった。さらに、6日未明に発生した北海道南西部の胆振地方を震源とする最大震度7の地震もあり、このまま招致活動を継続するのは困難と判断した。
 26年招致を巡っては、グラーツ(オーストリア)とシオン(スイス)が、すでに撤退して五輪離れに歯止めがかかっていない。IOCとしては1972年冬季五輪の開催実績のある札幌市はつなぎ留めておきたく、バッハ会長は18年平昌(韓国)、22年北京に続き「3大会連続でアジアの開催でも構わない」とまで述べていた。

 一方、札幌市も30年以降に方針変更して招致を実現するためにはIOCの後押しが必要となる。招致撤退の意向をIOCを訪問してまで伝えるのは異例の手順で、JOCを含めた3者で30年以降の招致実現に向けた打開策を探る。【倉沢仁志、荻野公一】