都が高齢者就業支援を10月始動 キャリア活用や職業訓練実施
2018.9.14 22:07
http://www.sankei.com/smp/politics/news/180914/plt1809140096-s1.html

 「人生100年時代」に向け、働く意欲のある高齢者が活躍できる社会を実現させようと、東京都は「シニア就職支援プロジェクト」を10月から始める。少子高齢化や人口減少などにより働き手が減る中、高齢者に対しこれまでのキャリア活用や新たな技術習得に向けた職業訓練を行ったり、新規に就職市場を開拓したりする。

 プロジェクトは、会社で求められる技術などを学び直す「東京セカンドキャリア塾」▽企業と高齢者双方の希望や能力が合致するか見極める「東京キャリア・トライアル65」▽仕事説明会や合同就職面接会を行う「シニアしごとEXPO」−の3事業からなる。「東京セカンドキャリア塾」と「東京キャリア・トライアル65」では対象者の募集も開始した。

 平成27年の国勢調査を元にした内閣府の報告では、都内の高齢者(60歳以上)の労働参加率は35・7%で全国3位。高い労働意欲がうかがえる半面、都産業労働局の担当者は「高齢者を対象に募集される職種は警備や清掃など現業が多い。オフィスワークを希望する高齢者側とミスマッチが起きている」と需給バランスの悪さを指摘する。

 これまでの会社勤めで得た事務処理能力や営業力なども生かせるよう、プロジェクトでは事務系職種にも高齢者活躍の場を広げることを目指す。中でも、「東京キャリア−」は事務系職場の開拓につながる可能性が高いとみられ、企業への高齢者の派遣を通じて、高齢者には就職先の業界で働く能力を、企業には高齢者を活用するメリットやノウハウを得てもらう。募集期間は平成31年2月末まで。65歳以上で都内での就業希望者が派遣対象になる。派遣期間は、10月から来年3月までの1〜2カ月を予定している。問い合わせはフリーダイヤル ( ※ 記事でご確認を )

 「東京セカンドキャリア塾」は新しい職種にも挑戦したい人を支援し、学び直しの機会を提供する。情報通信技術や時代に即したコミュニケーション術の講義を行い、受講者同士の交流などを通じて新たな分野の職業に目を向ける機会にしてもらう。受講料は原則無料で、10月から6カ月間で全43講座を開講する。第1期は募集を終了したが、今後も継続を計画している、問い合わせはフリーダイヤル ( ※ 記事でご確認を )

 「シニアしごとEXPO」は10月3日午前10時半から、新宿区の新宿NSビル、18日同、立川市のパレスホテル立川で開かれる。トークショー、専門家によるセミナー、シニア向け健康測定、都内のハローワークと連携した合同就職面接会などがある。入場無料。問い合わせは(電) ( ※ 記事でご確認を )