ロシア軍は、シリア沖の地中海上空で消息を絶ったロシア軍の偵察機について、シリア軍に誤って撃墜されたと発表しました。そのうえで、付近で軍事作戦を行っていたイスラエル軍が事前に連絡をしなかったことが誤射につながったとしてイスラエル側を非難しています。

ロシア国防省によりますと、17日夜、日本時間の18日朝早く、ロシア軍の偵察機イリューシン20がシリアの沖合およそ35キロの地中海上空で消息を絶ちました。

これについてロシア国防省のコナシェンコフ報道官は18日、偵察機はシリア軍の地対空ミサイルS200によって撃墜され、軍関係者15人が死亡したと発表しました。

コナシェンコフ報道官は当時、現場付近でイスラエル軍が軍事作戦を展開していて、シリア軍のミサイルはイスラエル軍の軍用機を狙ったものだったとしています。

そのうえで、イスラエル軍がロシア側に軍事作戦の情報を事前に通告していなかったため偵察機が安全な空域に避難することができなかったとして、「敵対的な行為で、イスラエルに責任がある」と非難しました。

シリア上空ではイスラエル軍が現地に展開しているロシア軍との調整のもとたびたび軍事作戦を行ってきましたが、今回の撃墜がシリア情勢をめぐる両国の関係に影響する可能性もあります。

イスラエル軍「コメントできない」
ロシア軍の主張についてイスラエル軍の広報担当者はNHKの取材に対し「現時点でコメントできない」と述べて、事実関係に関する一切の確認を避けています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180918/k10011634871000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_002