時事通信 2018/09/19-16:16

築地市場(東京都中央区)内にある牛丼チェーン「吉野家」の1号店、築地店が来月6日、営業を終える。
牛丼チェーンのモデルとなった店で、BSE(牛海綿状脳症)発生のため米国産牛肉の輸入が禁止され、吉野家の全国の店頭から牛丼が消えた2004〜06年も国産牛を使って提供し続けた。
市場移転に伴い59年の歴史に幕を下ろす。

吉野家は1899年、東京・日本橋の魚市場に個人商店として誕生。
1926年に築地へ移転したが、45年の東京大空襲で店舗を焼失。47年に店舗営業を再開し、59年には数十メートル離れた現在の場所に店を構えた。
吉野家ホールディングス(HD)は58年の法人化後に開設した現在の築地店を1号店と位置付けている。

同社によると、50年代の牛丼の価格は120円。値段はうな重とほぼ同じで高価だったが、忙しく、舌が肥えている市場関係者に評判で、にぎわったという。
築地店はわずか15席で多くの客を迎えるため、調理や盛り付けを効率化。具材は牛肉とタマネギに限定し、牛丼チェーンの基礎をつくった。

吉野家HDは、築地市場の移転先で、来月11日に開場する豊洲市場(江東区)にも店舗を設ける。同社は「これまで通り市場関係者においしい牛丼を提供したい」(広報担当)と話している。()

築地市場(東京都中央区)移転に伴い10月6日に営業を終える吉野家築地店(吉野家ホールディングス提供)
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https://www.jiji.com/jc/article?k=2018091900848&;g=eco