日本刀横領の会社代表に実刑判決 福井地裁、模造拳銃2丁も没収
2018年9月19日 午後5時10分
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/703005

 複数の客から預かった日本刀を返却しなかったとする業務上横領と強制執行行為妨害、銃刀法違反(所持)の罪に問われた福井県福井市、刀剣類販売・修理会社「勝山剣光堂」代表取締役勝山智充被告(49)の判決公判が9月18日、福井地方裁判所であり、渡邉史朗裁判長は懲役3年(求刑懲役5年)の実刑判決と、模造拳銃2丁の没収を言い渡した。銃刀法違反罪に問われた同社に対しては求刑通り罰金20万円とした。
 判決理由で渡邉裁判長は、3件の業務上横領について「独自のルールを一方的に設定し、客である被害者らの問い合わせが気にくわないとすぐに憤激し、刀剣を取り上げた」とし、暴挙と指摘。「調停での取り決めを完全に無視したり、訴訟で虚偽の事実を主張したり司法手続きをも軽視する態度は厳しい非難に値する」と述べた。
 強制執行行為妨害については「計画的に模造刀を準備し、強い非難は免れない」とした上で、「反省はみられない。更生には厳罰が必要」と指摘した。
 判決によると、被告は2011年から14年にかけて、修理や鞘(さや)の製作のため3人の客から預かった計200万円相当の刀身などを横領した。15年9月の福井地裁による回収の強制執行に偽って模造刀などを交付し妨害。16年5月には、金属製弾丸を発射できる鉄砲1丁や軍刀9本、模造拳銃8丁を不法に所持した。