岐阜市内の養豚場の豚が家畜伝染病「豚(とん)コレラ」に感染した問題で、岐阜県は十九日、新たに市内で死んでいるのが見つかった野生イノシシ三頭の遺伝子検査をしたところ、いずれも豚コレラの陽性反応が出たと発表した。死んでいたのは養豚場から北西に約七〜九キロの場所。農林水産省がより精密な検査を実施し確定させる。野生イノシシの陽性反応は計五頭となり、養豚場外での感染拡大が強く疑われる事態となった。

 県によると、今回の三頭は十八日に相次いで死んでいるのが見つかった。うち体長一メートルの成体が見つかった同市打越の畑地は、住民によると、十四日に感染が確認された一頭目の場所から、北へ数十メートルしか離れていなかった。

 残りの二頭は子どもで同市城田寺の道路脇と同市椿洞の市畜産センター公園の敷地内でそれぞれ見つかった。同公園は、施設内で豚約三十頭を飼育している。現段階で異常はないという。

 一方、農水省は十九日、養豚場の北東約三・五キロの同市大洞の民家の庭で十五日に死んでいた野生イノシシの豚コレラ感染を確認した。県の検査で陽性反応が出たのを受け、ウイルスの精密な遺伝子検査をしていた。野生イノシシの感染確定は、二頭目となった。

 ウイルスは、養豚場の豚や感染が確認された一頭目のイノシシから検出されたものと同タイプだった。国立研究開発法人「農業・食品産業技術総合研究機構」によると、二〇一五年に中国、一四年にモンゴルで確認されたウイルスと、同じグループに属している。

 感染が確定したり、陽性反応が出たりした五頭のイノシシと養豚場との関連や感染経路は不明。豚コレラは人には感染しない。

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