2015年の法改正で選挙権年齢が18歳に引き下げられてから初めてとなる沖縄県知事選。

 前回選挙時は中学生だった世代が新たに有権者に加わり、各陣営は若年層の票の取り込みにも力を入れる。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設問題が争点となる中、敬遠されがちな政治を身近に感じてもらおうと、若者自身が候補者と共に奮闘している。

 今年大学を卒業した嘉陽宗一郎さん(23)は、自民、公明両党などが推す佐喜真淳氏の陣営で青年部長を務める。出身は普天間基地の移設先の名護市。物心ついた時から地元は基地問題で揺れ、学校でも議論を避ける雰囲気があった。民主党政権が同基地の県外移設を断念した際、嘉陽さんは「期待しても何も変わらない」との思いを抱いたという。

 心境が変化したのは大学時代。佐喜真氏に学生イベントの講演を依頼したことがきっかけで、政治に関心を持つようになった。佐喜真氏の魅力について、「政権と連携して政策を前に進めていけるところ」と語る。

 青年部長として、佐喜真氏と若者とのフットサル交流会を企画したり、佐喜真氏を支持する動画を作成しSNSで発信したりしてきた。「政治に関わらないのは無責任。見て見ぬふりはしない」と力を込める。

 社民、共産両党などが支援する玉城デニー氏の陣営で青年局の活動をする照屋美波さん(18)が、これまで選挙に抱いていたイメージは「裏で何をやっているか分からない」だった。初めての投票を前に討論会を傍聴し、移設に反対を唱え、沖縄の貧困問題にも取り組む玉城氏の応援を決めた。

 太平洋戦争末期の沖縄戦で激しい地上戦となった糸満市の出身。祖母からは、ランドセルを背負って北部へ逃げた話を聞いた。「勉強不足だけど、今でも基地が危ないのは事実。辺野古にも造らないでほしい」と願う。

 青年局では、ライブハウスで候補者本人から話を聞くイベントを企画。司会を務めた照屋さんは、インターネット上で募集した質問をぶつけた。「本人に直接会って、任せられる人を自分で選ばないと」と有権者としての責任を感じている。



yahooニュース(時事通信) 9/29(土) 15:30配信
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