“がんと診断”で100万円支給も 治療と仕事 両立の企業を表彰
2018年10月3日 4時31分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181003/k10011656011000.html

がんになっても、働き続けられる取り組みを進める企業を表彰するイベントが東京で開かれ、経済的な支援や柔軟な働き方など治療と仕事を両立する施策が紹介されました。
イベントは、がんの治療をしながら働き続けられるノウハウを社会で共有していこうと、企業の経営者やがん患者の団体の代表などで作る「がんアライ部」が開きました。

イベントでは表彰された21社のうち、3社が講演し、治療をしながら働く社員には「がんと仕事の両立」を評価の指標に反映している事例や、がん基金を作って経済的サポートをしている事例、それに体調などに合わせて日ごとに勤務時間を決められる事例などが紹介されました。

がんと診断される人のうち、およそ30%が就労可能な年齢ですが、静岡がんセンターが5年前に行った全国調査では、がんと診断された後、会社に勤めている人の30.5%が依願退職し、4.1%が解雇されています。

「がんアライ部」の功能聡子代表発起人は「それぞれの会社が社内にいるがんの経験者の声を聞いて、その会社にあった一歩を踏み出してほしい」と話していました。
表彰企業 がん基金 診断されると100万円支給
表彰された企業の1つ、東京に本社がある専門商社の「ガデリウス」は社員が230人で、がんで亡くなる社員が相次いだことをきっかけに、おととし、「がん基金」を立ち上げました。

がんと診断されると基金から100万円を支給されるほか、体調や治療の状況に応じて短時間や在宅での勤務など働き方を自由に選択できます。

さらに有給休暇があまった場合、がんになった社員に寄付する制度の整備を進めています。

希少がんの「血管肉腫」診断された52歳の男性社員は「会社のサポートが助けになっています。なにより働くことを諦めなくてもいいという環境を作っていただいたことが励みになりました」と話していました。

ガデリウス・ホールディング人財開発部の山下智子課長は「がんになっても働けるよう助け合いの精神で、社員をバックアップしたい」と話していました。