名古屋駅南側の再開発地区「ささしまライブ24」にある「名古屋プリンスホテルスカイタワー」が2日、開業1周年を迎えた。
運営する西武ホールディングス傘下、プリンスホテルの小山正彦社長は同日の事業説明会で「客室単価を10%程度上げていきたい」と述べた。
訪日客需要などを背景に名古屋市内ではフルサービス型のホテル需要が伸びるとみている。

スカイタワーの客室単価は平均1万7000円程度とみられ、プリンスホテルが展開するシティホテルの平均(1万5000円程度)を上回る。
開業1年間の客室稼働率は76%。
2018年4〜9月期は81%だった。
小山社長は「開業半年で80%を維持できるのは経験上ない」と述べた。

そのうえで名古屋地域のホテル需要について「(宿泊やレストラン、諸施設を幅広くそろえた)フルサービス型を中心にポテンシャルが高い。まだまだ伸びしろがある」という。
周辺では価格を抑えた宿泊特化型ホテルの新設が続いており、他社とは違った集客ができるとみている。

宿泊客のうち訪日外国人は現在の3割から2年以内に4割になると見込む。
20年の東京五輪・パラリンピックや26年のアジア競技大会開催を手がかりに「1年ずつ市場や他のホテルの動向をみながら単価をあげていきたい」という。

プリンスホテルは情報通信技術(ICT)を駆使した宿泊特化型の新ブランド「プリンススマートイン」を、中長期的に全国100カ所にもうける計画だ。
小山社長は「人工知能(AI)による客室価格の決定やスマートフォンを使った部屋の解錠や支払いなどの仕組みを取り入れたい」として、名古屋でも出店する考えを示した。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36030870S8A001C1L91000/