7日から日本を訪れるベトナムのフック首相が6日、NHKなどの取材に応じ、中国が南シナ海で人工島の軍事拠点化を進めていることについて「地域の平和と安定、航行の自由を守るため、日本には責任と役割を果たしてほしい」と指摘し、日本の積極的な関与を期待する考えを示しました。
ベトナムのグエン・スアン・フック首相は7日から10日まで日本を訪れ、9日には東京で開かれる「日・メコン首脳会議」に出席するほか、安倍総理大臣と会談する予定です。

訪問を前にフック首相は6日、ベトナムの首都ハノイでNHKなどの取材に応じ、このうちインタビューでは「日本はこの地域の国々にとって貿易や投資の面で最も重要な国の1つであり、数百億ドルに上る投資で地域の発展を支えてきた」と述べ、ベトナムを含むメコン川流域の発展に日本が貢献してきたと感謝の意を表しました。
一方、ベトナムが領有権を主張する南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島で、中国が人工島にレーダー施設のような建物を完成させるなど軍事拠点化を進めていることについては「南シナ海では国際社会が深い懸念を示すような事態が頻発している。関係国は国際法を守り、状況を複雑化させるような行動を取らないことが必要だ」と文書で指摘しました。
そのうえでフック首相は「地域の平和と安定、航行の自由を守るためにも、日本には責任と役割を果たしてほしい」として、日本の積極的な関与を期待する考えを示しました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181006/K10011661851_1810062003_1810062022_01_02.jpg
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