10月10日は「お好み焼きの日」。
唐突ですが、お店でお好み焼きを食べるとき使うアレ、何て呼んでますか? 
切ってすくって口に運ぶのに便利な、金属製で2文字のアレです。

兵庫県出身の筆者は「ヘラ」と呼んでいますが、取材を進めると、そこは百家争鳴のラビリンス。
アレの呼び名についてあれこれ調べました。

■コナモンの町では

神戸市長田区のJR新長田駅前。改札口を出ると、目の前には3・4メートルの巨大モニュメント。
2011年10月30日、長田名物「鉄人28号原寸大像」(2009年10月完成)も手掛けた神戸鉄人プロジェクト実行委員会が設置しました。

名称板には「コテモニュメント」と刻まれています。
「全長18メートルの鉄人が握ることを想定した」というエピソードも。

「『コテと呼ぼう』とわざわざ決めました」と会代表の岡田誠司さん。
「地元では『テコやろ!』とつっこまれることもありますが」
地元飲食店などでつくる「食のまち神戸長田」推進委員会や鉄人プロジェクト実行委員会で会合を開くたびに、コテとテコでまとまらず、混乱を避けるためにも、約15年前に会としての「統一見解」を決めたそう。

ところで、なんでコテなんですか?
「テコよりコテの方が語感がいいでしょ」

ミュージシャンとしても活動する岡田さんらしいお答え。
「鉄板コテ之介」や「コテリン」など、コテをテーマにした長田のご当地歌手やゆるキャラのネーミングにもつながりました。

地元神戸のオリバーソース(神戸市中央区)の広報担当者に尋ねると、間髪入れず「コテです」。
顧客向けの販促物にも「コテプレゼント」と銘打つなど、社内でしっかり統一されています。

■大阪・道具屋筋では

調理道具のプロは何て呼ぶのでしょうか。
30を超える厨房用品専門店がひしめく大阪・千日前道具屋筋商店街に問い合わせると、その日は偶然、月に一度ある理事会の日。

「変なこと聞いてくるなあ」とあきれられつつも、趣旨を理解していただき、理事会の終了後、集まった13人の理事に決を採ってもらいました。
それによると、全員が「テコ」に挙手。「由来はテコの原理ちゃいますか」という声も。

そんな中、理事の一人から思わぬ証言が。
「メーカーから届く商品注文書には『起こし金』と書かれてますよ」

■新潟の産地では

新説を確かめるべく、問い合わせたのは、金物の生産地として有名な新潟県三条市に本社を置くパール金属。
金属製品製造において、国内シェアの大部分を占めるそうです。

「こちらでは、起こし金ですね」と言い切るのはハウスウェア事業部の担当者。
同社だけでなく、金物メーカーのひしめく燕三条界隈では、この呼び名が主流だそう。
テコやヘラが何を指すのかはもちろん知っていますが「こちらではまず呼ばないです」。

新長田のモニュメントの話をすると「関西っぽくてユーモアがありますね」と温かいお言葉。
ちなみに燕三条駅周辺には金物の像はないそうです。

※続きはソースでご覧ください。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201810/0011701273.shtml