https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181013-00000004-mai-soci

今年7月、大阪市西成区で病死した男(68)が9年間、元同僚の男性(69)になりすましていたことが、
大阪府警西成署への取材で明らかになった。同署は男の遺体の身元を男性と判断して区役所に引き継いだが、
その後、この男性が大阪府摂津市で暮らしていることが判明。同署は12日、男が病院に搬送された際に、
男性の署名を偽造したとする私印偽造・同使用の疑いで、容疑者死亡で書類送検した。

西成署によると、男は7月20日午後、西成区萩之茶屋1の簡易宿泊所で倒れているのが見つかった。
2年前に男性の名前で入居し、1人暮らし。室内には男性名義の国民健康保険証があったほか、
重機操縦の資格認定証があり、男の写真が貼られていた。周囲には男性の名前を使って生活していた。

署は男性の家族に遺体の引き取りを依頼したが拒否されたため、区役所に男性が死亡したとする書類とともに遺体を引き渡した。
区は遺体を火葬し、男性が住民登録していた摂津市にも死亡を通知した。

しかし、摂津市は「男性は生きている」と区に連絡。署が以前の勤務先などを調べると、男は2009〜15年ごろ、
男性を名乗って大阪市大正区の建設会社で勤務していたが、それ以前の1987〜09年は、自らの本名で
大阪府門真市の別の建築会社に勤めていたことが分かった。

男がなりすました男性は門真市の会社の元同僚で、その当時、男性の健康保険証などを入手した可能性がある。
男の退社後は、2人に関わりはないとみられる。男は25年以上前から家族と音信不通だった。署はなりすましが発覚した後、
男性と男の家族に経緯を説明した。ただ、詳しい動機などは分かっていない。

署は「当初は身分証や関係者の証言があり、なりすましを見破るのが難しかった。今後は確認を徹底したい」としている。